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by iskra

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旅する雑貨とスタンプイスクラの店主です。
ドイツ語学科卒業後、
旅行会社オペレーター、
宝石カメラマンの経験を経て
ネットショップを運営しています。




当ブログ内の写真や文章は、イスクラ個人に属します。
転載する際は、出典をご明示ください。
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ベラルーシな時間 はぐれミーシャ純情派
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モンゴル号3日目 別れの朝

関西は雨はあまり降ってないのですが、そう暑くもなく快適な日を過ごしております。
今日はかなり晴れ渡りまして、気温もあがりましたので、琉球もろみ酢を氷水でわってごくごく飲んでおります。

6月5日

朝早くに目が覚める。おいちゃんはとうに起きていて、荷物をまとめ始めていた。
塚ちゃんもまもなくおきる。
チュメニまであと数時間。
塚ちゃんはチュメニが近づいてくると落ち着かないのかウロウロ。
荷物はまとめてないのだがたったり座ったり、廊下にでたりで忙しい・・・
そういえば社員旅行の前の塚本さんも3日ぐらい前からそわそわして興奮しているようだったな。
ちゃんと夜眠れたのだろうか?

チュメニが目前に迫って、ろしおさんがおいちゃんに扇子をプレゼント。
ぼそっと「私のおくさんに?」といったけれどおいちゃんはとてもそれを喜んだ。
そして、おいちゃんはカバンの中から何かを取り出して、ろしおさんに渡した。
それは恐らくおいちゃんが娘へと買ったプレゼントだったに違いない、
ピンクゴールドの縁取りがある艶やかなうつくしい琥珀のペンダントだった。
ろしおさんもそれをとてもうれしそうに受け取った。
そして、なんだかわらしべ長者のようだ、ともいった。同じ意見である(笑)

列車は走り、チュメニに到着してしまった。シベリアの有数の都市で、ガスで有名な工業都市である。
おいちゃんはここから自分の町まで、さらに600キロ近く上っていかなくてはならない。
本当に遠くへいってしまうのだ。
我らも列車からおり、塚ちゃんとおいちゃんを見送る。
塚ちゃんに気を取られているうちに、おいちゃんは名残惜しむ時間も与えてくれず、
やさしくハンドキスをして振り向かずに去っていった。
おいちゃんは本当の父のようであった・・・

モンゴル号3日目 別れの朝_b0036326_1165828.jpg塚ちゃんは義理の弟が迎えにきていた。
そして誰かまだ待っているようだったが、
実は私たちがホームにいたので、
塚ちゃんはその間ホームに残っていてくれたのであった。
そして我らと少し雑談したあと、さよならして去っていった。
二人ともホントにいい人であった。
(写真は塚ちゃん 35歳)


二人が去っていったあと、次に人は乗ってこなかった。
再び私たち二人の貸切となったが、シベリャーク号に乗っていたときのそれとは明らかに違っていた。
ロシア人の静かなうちの何かこう熱い人間味あふれるところにすっかり魅了されていたのだ。
二人ともすっかり淋しくなってしまって、サーシャ、おいちゃん、塚ちゃん!とわけもなく叫ぶ。
ここでぐっと人は少なくなって、もうロシア車両に乗っているのは我ら二人と、パーマ姉妹、
子連れの親子、そして新しく乗ってきたベルサーチのTシャツをきたサンタ風のおやじだけだった。
食堂車の例の兄さんが今日も水と朝食パックを持ってくるが、我々二人だけになったのをみるとちょっと哀れんだ顔つきになっている。
「元気だしなよー。」そういっているようにも感じる。
モンゴル号3日目 別れの朝_b0036326_1292342.jpg
主をうしなったくまのお菓子・・・ キューンと泣いているようだ。

明日14時にモスクワに着くまでの1日淋しく過ごすのかと思うと、かなり落胆してきた。
ろしおさんはこのあたりからチェブラーシカに現実逃避しており、しきりにチェブチェブといい始める。
モスクワで何を食べるか、とか計画するも、これまでが上手く行き過ぎており、大都市モスクワに飲み込まれそうな我らちびっ子日本人が決して安易に過ごせるわけもない。
そう思うと重くのしかかる重圧。
はあ、何があってもおかしくないロシアという国にいることを今更のように実感し、ため息をつく・・・。

無為に過ごして食堂車のおばちゃんがランチパックを持ってくる。
二人の淋しい食事であった。
モンゴル号3日目 別れの朝_b0036326_135218.jpg
われらの気持ちと裏腹に食事は美味しかった・・・

モンゴル人はますますパワー全快でついにトルソーに服を着せて売り始める。
わがロシア車両は穴場だったようで、モンゴル人のばあさんに乗降口を陣取られ、
そこにロシア人が上がってきて、モノを買い求めた。
モンゴル号3日目 別れの朝_b0036326_1472793.jpg
右のところ、トルソーがぶら下がっているのが見えますでしょうか?

我らがマロジナーエを買いに外に下りると、少しの時間またないと商売の邪魔になるから車内に上れないのであった。
しかし、車掌も苦笑いで、裏で取引がなされているのか、別にとがめる様子もなく、人が途切れると我らを列車に乗せるためにばあさんをストップしてくれた。
我らの唯一の楽しみといえば、そのモンゴル人とロシア人の奇妙な関係をウォッチングすること以外にもう残っていなかった。

(つづく)
# by iskra | 2006-07-09 19:00 | ロシア 2006

モンゴル号2日目 塚ちゃん登場

6月4日 

早朝、パーマ兄が妹を起こしに来る。
彼らは降りるのかな・・・と思いきや、我々の部屋に4人目がやってくるということらしく
自分の部屋に戻っていった。

クラスノヤルスクに到着。
朝早いのでまだモンゴル人はおとなしくしている。
4人目の人はいかにもロシア人だよ☆(もう星もでるよ)っていう顔つきの男性。
明らかにおいちゃんとは顔つきが違う。
彼はかなりいい体格で、たっぷんたっぷんしていた。
初めは黙っていたけれど、そのうちものすごい早口で饒舌になっていって、うう、
今までの人とまた違う教えてちゃんであった。
日本のことや我々のことをいろいろ聞きたがるのだが、早口すぎてよく分からない。
「それは何だ?金?金?金?金?金?」って常に単語を5連発。
ひえーうるさいー。おかげでゾーラタ(金という単語)を覚えてしまったよ・・・。
そこで我らが彼に与えたニックネームは「塚ちゃん」。
我々の元上司と体格、そして言動が似てるからである。
また塚ちゃんもドイツ語と英語はなせるというけれど、不可。
最後まで早口のロシア語を聞いてなにか連想するしかない。

塚ちゃんもチュメニで降りるらしいから、おいちゃんもチュメニで降りるよと教えてあげたけど
おいちゃんも塚ちゃんも互いに関心がなかったようだ。
さらにいうとおいちゃんは塚ちゃんみたいなうるさいやつは苦手なようであった。

食堂車の兄さんがまた水と朝食パックを配りに来る。
これは毎日のサービスなのかしら?サラミとクラッカーをむしゃむしゃ食べる。

さて、お昼の停車駅。モンゴル人パワー炸裂。
我々が列車を降りるよりも早く窓からホームに下りてモノを売っている。
それを待ち構えるロシア人・・・。
彼らのものがそんなに安いのか?そんなに物不足なのか?
モンゴル号2日目 塚ちゃん登場_b0036326_2432285.jpg
何でもいいからくれ!見たいな人やサイズお構いなしにモノを買う人。
売れ行きの品はポップな柄の毛布♪ ゴアさんいわく質がよいらしい。

今まで駅についたら乗客が何か買う側だったのに、この客がモノを売っている状態が面白く、
これだけでもモンゴル号に乗る価値はある!
警官ではなくものを買っているロシア人に写真を撮るのはやめてくれ、といわれる。
何かまずいことでも?

しばらくするとまたランチパックが配られた。とんかつとパスタ。
サービスがよすぎなのではないか?
モンゴル号2日目 塚ちゃん登場_b0036326_251143.jpg
列車が揺れて上手く取れませんがとんかつ弁当。

ごはんの後しばらく眠る。おいちゃん視線を相変わらず感じつつも昼寝。
おいちゃんは寝ないのだ。
塚ちゃんはおいちゃんの上の段でたいそうないびきをかきながらゴロリ。
寝返りを打つ巨体がまぶしい・・・というか予想通りね。
昼間の温度がかなり上昇するようになったので、車内は蒸し風呂のようになる。
夏場乗るのはちょっと厳しいかも・・・

この日最大の駅、ノヴォシビルスクに到着。
ホームにはたくさんの警官がいる。
物を売るモンゴル人とモノを買い求めるロシア人でごった返すが、警官は見てみぬふり。
駅の職員も出てきて物を買っている。
マロジナーエを買うためにホームに下りるもキオスクが遠かったのであきらめる。
我らもモンゴル人に間違われて、何かモノを持ってないのかと聞かれたり・・・
モンゴル号2日目 塚ちゃん登場_b0036326_2144852.jpg

ノヴォシビルスクを出ると再び塚ちゃんの質問ぜめにあう。
おいちゃんは塚ちゃんが座っているとしばらくどこかに消える。
次に塚ちゃんが席を立つとおいちゃん戻ってくる。
ろしおさん、寝る。
再びおいちゃんと私の微妙な空間・・・
塚ちゃんは廊下にたって外を眺めていたそのとき、おいちゃんおもむろに私の左手をとり一言、
「結婚しているのか?」(ロシア人は右手に指輪をします)
塚ちゃん、ビックリして振り向く。私もビックリ。
「・・・ええ、結婚しています」
おいちゃん感慨深そうな顔。
そうかそうか、と納得しているようにも見えるが、なんだか分からない空気が流れる。
なんと説明してよいやら・・・こういう微妙なときにろしおさん、いつも寝ている・・・

夜の駅で。
モンゴル号2日目 塚ちゃん登場_b0036326_2241836.jpg
ろしおさんが寝てたので、一人で散歩。
カラフルTシャツは車掌さん。
コンパートメントに帰ると、おいちゃんがアイスクリームを買って帰ってくる。
有り難くいただく・・・
明日の朝になれば、おいちゃんも塚ちゃんもこの列車を去っていく。
2日間一緒に過ごし、二人とも情が移ってしまい、なんとも淋しいと感じる。
モンゴル号2日目 塚ちゃん登場_b0036326_2275317.jpg
アイスを食べるおいちゃん。
一緒に写真を撮り、いい想い出となる。
そして時間はすぎていく・・・
塚ちゃんはゴウゴウといびきをかきはじめる・・・
ろしおさん、おいちゃんに「スパコイノイ ノーチィ!(おやすみなさい)」と言ってビックリされる。
# by iskra | 2006-07-08 02:55 | ロシア 2006

モンゴル号1日目 モンゴル号の実態

これがつい一ヶ月ほど前の話かと思うとへんなかんじ。
もうかなりの時間が経った気がします。

6月3日 (つづき)

イルクーツクの駅で停車、およそ30分。
アイスクリームを食べ終わるとちょっと外が騒がしい。
窓から外を見ると、ロシア人警官とモンゴル人がもめている。
そしてモンゴル人は明らかに駅でロシア人にモノを売ろうとしている。
いつの間にか多数のロシア人がこの列車の周りに集まってきている。
つまり、この列車に乗車しているモンゴル人はモンゴル商人で、モスクワまでの道すがらロシア人にモノを売っているのであった。
警官はモンゴル人に「やめろ」みたいなことを言ってウデをつかんでもみ合いに・・・。
列車の扉の窓が割れる。
ひえー、なんちゅう列車だ・・・。
初めてこういうことを目にしてびびる私とろしおさん。おいちゃんは笑っている。
乗客のロシア人は窓から高見の見物、そして苦笑い。

列車は再び動き出すと再びモンゴル人の大移動が始まる。
絶えずモノを持って廊下をうろうろする彼ら。 ふーん、この列車は奇妙だ。

そうこうしていると、美味しそうな匂いが漂ってきて、食堂車の兄さんがカゴに何かを持ってきた。
3人分のランチパックであった。そしてきまって「ニェ スコリカ」といってニヤッと笑う兄さん。
またまた予想外のことにびびる。食事がでるなんて!
中身はハンバーグとごはんだった。
でも先ほど食べたばかりだし・・・アイスも・・・ と思ったのにも関わらず結局食べる。
なかなか美味しい。
モンゴル号1日目 モンゴル号の実態_b0036326_12363267.jpg
きゅうりはろしおさんに食べてもらう(笑)

食べ終わって少し眠る。おいちゃんまたこちらを見ている・・・

モンゴル号にはロシア人客車が一両しかなくて、またしても乗客は少なかった。
それなのにロシア人の車掌は女性3人も乗っていて、でっかいおばさん車掌と、金髪のほっそりした車掌、たえず掃除してくれる赤毛の車掌であった。
おかげで車体は古いものの、清潔で過ごしやすかった。
車掌の部屋には絶えずお客さんがいて、何をしているか分からないロシア人の乗組員もロシア車両で寝たり、食事したり。会議したり(笑)
なんだか自由なのである。
私たちのコンパートメントの隣のお部屋はいつの間にか食堂車の従業員の仮眠室になっていて、兄さんや、姉さん、何をやっているかわからないでっかいロシア人(この人もサーシャ)が時折入ってった。
逆隣の部屋にはここに来て初めての酒飲みロシア人のグループ。
イルクーツクを出たあたりからハイペースでのんでて、時々笑い声が聞こえてくる。
あとはロシア人のファミリー、ちゅるちゅるパーマの姉妹と兄が乗っていた。
おいちゃんは誰と話すでもなく、いつも静かにしていた。

しばらくしてジマ駅に停車。
ここではモンゴル人がおとなしくしていた。
モンゴル号1日目 モンゴル号の実態_b0036326_1232356.jpg
モンゴル人車掌はなまめかしい。警官はこっちを見ているが別に写真を撮っても注意されない。
モンゴル号1日目 モンゴル号の実態_b0036326_12334336.jpg
モンゴル車両
モンゴル号1日目 モンゴル号の実態_b0036326_12341188.jpg
ロシア車両。右上の窓から覗いているのは私に手を振るおいちゃん。意外とひょうきん。

さて、写真を撮って列車に乗るとおばさん車掌が「お嬢さん、ちょっと」と手招きするので、
なんだろうと思って車掌部屋に行くと、毛布を出してきた。
「この毛布はねえ、とってもハラショーなのよ、手触りもよくって。触ってみなさい。」みたいな説明を私にし始める。
おいおい私に毛布を売ろうとしているのか、車掌さん。
近くにいたパーマの姉も「そうよ、お得よ!」みたいなことを言っている。全員グル?
「イヤー、必要ないんですみません」と言ってお断りすると車掌つまらない顔。
モンゴル号ではモンゴル人だけでなくロシア人もモノを売るのであろうか?
まったく不思議である。

隣の飲んだくれグループは一人が限界に達し、窓からはき始める。 おーい!

キオスクには何も食べ物がなさそうなので、夕食には長崎ちゃんぽんを食べる。うま!
夜に泊まった駅でマロジナーエを買って食べ、食べ終えて列車に乗ると
また配給なのかおいちゃんのおごりか分からないマロジナーエが用意されている・・・。
うーん。謎だ。
モンゴル号1日目 モンゴル号の実態_b0036326_1249866.jpg
ぴんぼけ。かわいいマロ。

パーマ妹(推定12歳)が座席の都合で我らの部屋に寝に来る。
電気を消して眠りにつくがおいちゃんは暗くなってもクロスワードをやっている・・・

外は白夜。何時まででも明るく、完全には日が暮れない。
1日寝てばかりなので、眠れるのだろうか・・・
と考えているうちに自然に眠っていた・・・。
# by iskra | 2006-07-07 12:54 | ロシア 2006

モンゴル号1日目 おいちゃんの秘密

6月3日 (つづき)

淋しいながらも、モスクワへの3泊の列車のたびが始まる。
ウランウデから同室になったおいちゃん(50歳くらい)はこざっぱりとした人で、
いつもお茶を静かにのみ、新聞を読んだりして時間を過ごしている。
典型的なロシア人の顔ではなく、西洋人だがどこか違ったかんじがする人であった。
またのんだくれのロシア人じゃなかったよーってホッとする。同室者には恵まれるようだ。
おいちゃんにどこまで行くのか?と聞かれ、「モスクワまで」と答える。
おいちゃんはチュメニまでいくそうだ。ということはおいちゃんとは2泊を一緒に過ごすことになる。
さらにおいちゃんはチュメニからオビ川を上って行くらしくて、地図でおおよその場所を指してくれるけど、かなり遠いらしい。
おいちゃんの町はおおきいの?と聞くと大きな街だ、とかえってくる。
時折おいちゃんは自分のカバンの中に手を伸ばし、ちらちらなにか見てるんだけど、
すぐに引っ込めるのでそれが何か分からない。
少し前はバイカルアザラシのカードが出てきたので、そういうのをみてるのかしら?と思った。

ここらで朝ごはんを食べてないから食堂車にでもいくかーといいつつ
ろしおさんと二人で食堂車へ。
先客あり。しかし、座ったとたんに まだやっていない、1時オープンだ、といわれる。
なんでお昼やらずに13時からなのか?ちょっと疑問に思って仕方ないので、部屋に戻る。
持参のジュースなどのみ空腹を紛らわす。
するとバイカル湖が見えてくる。
これからイルクーツクまでのしばらくの間、列車はバイカル湖に沿って駆けていく。
おいちゃん、おもむろにカメラを取り出し、バイカル湖を撮る。
我らも負けじととるが、おいちゃんにもバイカル湖は、珍しいものなのだろうか・・・
モンゴル号1日目 おいちゃんの秘密_b0036326_1311648.jpg
車窓よりバイカル湖

おいちゃんはおとなしく特にこちらに干渉することもないのだが、このアジア人が珍しいのか、
絶えずこちらを、もっと言えば私を見ている・・・しかし、凝視という感じでもなく、なんか遠くを見るように見ているのだ・・・
ひえー顔になにかついてますか、私!
視線を感じつつもバイカル湖を凝視しつづける私・・・ ああ、ちょい疲れてきたよ・・・
ってろしおさん、寝ないでくれ。このおいちゃんとの変な雰囲気は私には重過ぎる・・・
そんな感じでこ一時間バイカル湖を見続け、私も疲れたので横になる。
時折のおいちゃんの視線を感じつつも何とか少し寝る。
暑くなったので、起きる。おいちゃんはクロスパズルをやっていたようだ。
ろしおさんも起きて、下の私の寝台に座る。またちょっとおいちゃんとの会話。
ろしおさんはこの時点でロシア語は「ハラショー」「スパシーバ」「マロジナーエ(アイスクリーム)」が主で、最後までこの単語を使っておいちゃんと会話をこなしたつわものである。
おいちゃんの名前はヴィクトルであった。
おいちゃんは私が娘に似てる、と言い出し始めた。
娘ってロシア人でしょ・・・まさかにてるはずがないし・・・と思ったとたん、その瞬間がやってきた。
カバンの中の秘密、それはおいちゃんの娘の写真であった。
わたし 「・・・・・・」 やっぱり似ていないのでは?よく分からない・・・
おいちゃんはうれしそう。
しかしながら私は31歳だというとおいちゃん腰抜かす。おいちゃんの娘は18であった・・・。

そうこうしているとウランウデをでて初めての停車駅が近づいてきた。
停車時間2分。何か買えるのだろうか・・・ そう思うや、売り子が一斉に駆け寄ってきた。
いかにも買ってくれーといわんばかり。 おおー いいかんじ。
私とろしおさんは降りようとするけれど、車掌にここは短いからダメよ、と制止される。
なんだ我らのような素人は短い停車駅で降りるのはやめたほうがいいのか?
そうおもうが早いか、売り子の中からおいちゃんが列車の中に駆け上がってくる。
なんちゅう神業、しかも手にはオームリ(バイカル湖名物の魚)の燻製を大量に持っている。
我らは何も変えなかったので、少し早いが13時といわれた食堂車に行ってみる。
おねんさんに「やってますか~」というと「座れ」といわれたので、着席。
我らのほかに客はいなかった。
メニューを持ってきてくれるけど、今回はチョイスが少なく、割高。
しかもシベリャーク号の食堂車で5ループル(25円くらい)だったチャイが50ルーブルになっている。
ひえー10倍ですか!
座ってしまったので、スープとパン、ポテトフライ、チャイを頼む。
モンゴル号1日目 おいちゃんの秘密_b0036326_211754.jpg
スープ。味は例のごとく美味しい。・・・この器家にあるよ。
この頃になるとモンゴル車両のモンゴル人の行き来が激しくなってきた・・・
彼ら何をうろうろしてるのだろう。しかも絶えずモノをもっている。明らかに商品。
洋服や毛布、ジーパンなどもって列車内をうろうろしている。
しかも我らをみて、同胞かどうかサグッテイルヨウダ!

食べ終えて席に戻ると、おいちゃんはオームリを何匹とゆでじゃがを食べた後だった。
オームリとジャガイモののこりがそのままテーブルの上においてあるので、
横の私はそのオームリ臭にちょっと困惑・・・ おいちゃんいいひとなんだけどな・・・
モンゴル号1日目 おいちゃんの秘密_b0036326_2254722.jpg
テーブルの上はおいちゃんの荷物でいっぱい。これはおいちゃんのお菓子。かわいい。

次の停車駅はイルクーツク、ちょっと散歩に降りる。
売り子はいない・・・ 
イルクーツクからモスクワまでは売り子の取り締まりが厳しいらしく、さっきの駅が売り子からモノを買う最後の砦であった。
(これから先はキオスクでモノをかうことになる)
座席にもどると、おいちゃんがアイスクリームをくれた。
なんか申し訳ないので、いくらですか?と聞くと分からない(笑)とごまかされる。
これはおごりなんだろうか?それとも列車のサービスなのだろうか?(そんなことがあるの?)
モンゴル号1日目 おいちゃんの秘密_b0036326_2171842.jpg
疑惑のマロジナーエ。紙に包んである直方体のアイス。あなたはどこから来たの?

イルクーツク、もともと我らが降りる予定だった駅。さすがにでかいし、警察もいっぱいいる。
さて、この辺でこの列車、モンゴル号たる特色が出てくることになる。
つづく。
 
# by iskra | 2006-07-06 02:14 | ロシア 2006

モンゴル号でモスクワへ出発 さよならサーシャ。

6月3日

サーシャに朝7時に迎えに来てねと約束したので、早々と起きてロビーで待つ。
サーシャやってくる。
そして5分で駅につくが駅を通り過ぎる・・・ えー!? 
なんとウランウデ最終日にして我らはサーシャに拉致されるのか?!
しかも、このトランスファーはどう考えても前日発作的に「サーシャも10ドル」と言ってしまったサーシャのプライベートなお仕事となっているのが目に見え、会社とは何の関係もない、事実すら知らされてないことではないのだろうか?
とするとここで我らがサーシャにさらわれても、誰もこの事実を知らないのである!
ここで今まで美味しい思いをしてきた我らにつけがまわってきたのか・・・

サーシャはぐんぐん車を走らせるといきなり止まって、上が何とかといっている。
ろしおさんいわくウランウデが一望できるところが・・・といってるんじゃないの?ということになり
列車の時間が7時42分だから早すぎるからサービスしてくれるような感じで、
なんか分からないが「ダー」といったらサーシャは丘のほうに向かって車を走らせた。
ドンドン上っていく。
しかし、私は空港には3時間前にはいてもかまわんタイプなので、多少早く駅についてもかまわんのだが・・・。
5分くらいすると頂上について、そこにはパゴダがあってウランウデの町が眼下に広がる。
そこは展望台であった。
モンゴル号でモスクワへ出発 さよならサーシャ。_b0036326_262063.jpg
あいにくの曇りだが、サーシャは最後にこのウランウデの景色を私たちに見せたかったようだ。
やっぱりサーシャいい人ね。疑ってゴメンよー

それから丘を降りていって駅へ。
モンゴル号でモスクワへ出発 さよならサーシャ。_b0036326_295095.jpg
ウランウデの駅。
サーシャが列車まで荷物をもってくれる。有り難い。
私たちが乗るのはウランバートルからウランウデ経由でモスクワに向かうモンゴル号。
週に一便走っていて、ドミートリーにこの日はこれしかないといわれたので、
まあそれでいいや、てことで決定した列車である。
列車はモンゴル国鉄の車両で、車掌もモンゴル人。
すでにロシア人になれている我らはちょっと失敗かも・・・とおもい始める。
そして我々の16号車は・・・と 11 12 13・・・と数えてそれから後ろには客車がない!
あらー、ついにドミートリーにやられたか!
サーシャがモンゴル車掌に16号は?と聞くと向こうだ!といわれ、引き返していく。
とレストランの隣の車両はロシア国鉄の車両で、それが16号車であった。
ほっと胸をなでおろしつつ、車掌にチケットを渡す。
パスポートを出そうとすると、車掌に大丈夫といわれる。ああ、もうなんか簡単やね・・・

自分たちの座席に荷物を置きに入るとすでに先客が・・・
身なりのいいビジネスマン風の50歳くらいの紳士であった。
おいちゃんは私たちをみてちょっとびっくりした感じ。
しかし、おいちゃんに「はじめまして」といって、すぐに列車をおりてサーシャにお別れ。
サーシャのおかげでウランウデとバイカル湖は楽しかったよ、サーシャいい人だ、またあいましょう、と名残おしみつつ・・・
サーシャにちょっとプレゼント。私は小さなペンライト。
渡したとたんにサーシャは自分の目に向けて光を照らす・・・目によろしくないでしょ、そんなことすると!
ろしおさんはサーシャにセンスをプレゼント(彼女、センスを大量に持っている)。サーシャ大喜び。
サーシャとにこやかにお別れ。
そして列車はゆっくり動き出す・・・
ああ、ウランウデいいところだったよ。充実の2日間だったよ。
・・・。
我らはウランウデを離れる寂しさでいっぱい。
それとともに大都市モスクワに向かうことが重圧にすら感じてきた。
なんでもう少しウランウデにいなかったんだろう・・・
ああ、さびしいよ、サーシャ!
と、おいちゃんを横にサーシャの名前を連発。
おいちゃんは、なんでサーシャ、サーシャ言うとるのか、この子らは・・・と思ったに違いない。
このあともずっとサーシャの話題でもちきり。
なにかにつけサーシャを連発。おいちゃん迷惑。
モンゴル号でモスクワへ出発 さよならサーシャ。_b0036326_25327100.jpg

4人のりのコンパートメント。この日は3人で。私と机をはさんでおいちゃんが隣。
ろしおさんは私の上の段。
モンゴル号でモスクワへ出発 さよならサーシャ。_b0036326_255529.jpg
モンゴル号の車内。シベリャーク号より少しきれい。トイレは特にきれい。

しばらくすると車掌がシーツを持ってくる。
シーツ代いくらですか?って聞くと「ニェ スコリカ (ただ)」と言われる。
シベリャークでは45ルーブル払ったのにモンゴル号はただであった!
しかもモンゴル号にはアメニティがついていた
モンゴル号でモスクワへ出発 さよならサーシャ。_b0036326_2474215.jpg
石鹸と糸ヨウジ、紙ナプキン、ウェットティッシュが入っていた。
そういえば、前もモスクワからペテルブルク迄赤い矢号に乗ったときにもそんなのがあったような・・・
しかしシベリャーク号のサービスが普通だと思っているので、急にサービスがよくなった気がしてうれしくなる。

驚いてると、今度はカゴ持った売り子みたいな兄さんがやってきて、3人分のペットボトル(水)と小さなパック見たいのを置こうとする。
また「ニェ スコリカ」といわれ、ニャッと笑われる。
えー、水もサービスなの? 
モンゴル号でモスクワへ出発 さよならサーシャ。_b0036326_2512313.jpg
パックをあけるとクラッカー、サラミ、ウエハース、ティパック、インスタントコーヒー、砂糖が入っていた。どうも朝食のようだ。
そしてプラスチックのカラトリーセットもついてきた。飛行機みたいだ。

モンゴル号の不思議はまだまだ始まったばかりであった。
予想だにしない出来事が我らをまっていた・・・     つづく。
# by iskra | 2006-07-05 02:18 | ロシア 2006